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12.26 無農薬有機栽培の「徳田ねぎ」は最高にうまい [百姓]

 うちの畑で4畝、自宅前で1畝を栽培している当地特産品の「徳田ねぎ」。
 ずっと無農薬そして昨年から化成肥料など化学肥料の使用を止め、有機栽培とした。もっとも、苦土石灰はどれだけか振ったが。
 そのネギがちょうど食べ頃となった。今年は夏の大雨で根腐れ傾向にあって、例年になく育ちが悪く、少々細くて短いが味は落ちていない。
 昨晩、本格的にネギ料理を女房が作ってくれ、賞味した。白根の部分を輪切りにし、ホットプレートで焼き、醤油を付けて食べるのであるが、実に甘くて柔らかく、香りも良い。青葉の部分はお好み焼きにどっさり入れる。これまたうまい。
 12月に入って、今までに、あちこち届けたり送ったりした。そして、今日は大阪の妹にネギ箱2箱を送ったところである。毎年、妹の連れ添いが近くで仕事があったときに立ち寄ってくれるのだが、今年はこちらの方に用事がなく、待ちきれないから送ってくれとの督促があったのだ。
 このように、あちこちで楽しみにしてもらえ、美味しいと喜んでいただける。

 ところで、「徳田ねぎ」は、当地の特産品であるからして、大量作付けされている専業農家も多い。そうした方は毎年農薬散布されている。今夏の根腐れ傾向で病気が発生し、うちも少々病気が付いたが、その予防のためであろう。でも、うちは出荷するわけではないから農薬は使っていない。
 農薬は大した問題ではないが、化学肥料の使い方に問題がある。ネギ栽培の最後の追肥に窒素肥料がかなりの量使われる。こうすると、ネギの葉が青々としてくるからである。うちは追肥するとしても有機肥料だから窒素過剰とはならず、葉は緑色であり、かつ、葉折れが少し目立つ。
 並べて比較すると、窒素肥料を入れた方が葉の色が濃くて葉のほとんどがシャンとしているから美味しそうに見え、消費者はそちらを買うことになる。しかし、これは硬くて甘みが少ないと専業農家の方に聞いた。それでも、他の産地に比べれば、甘くて柔らかいから人気があるのだが、本来の「徳田ねぎ」ではない。
 野菜全般について言えるのだが、専業農家の方の中には、出荷用と自家消費用とを分けて、農薬や肥料の使い方を変えておられる方もいらっしゃる。これは、本当に美味しいものが売れないから、やむを得ないことではあるものの、実に残念なことである。
 こうなってしまうのは、流通が広域的大量流通となったことや対面販売されなくなったことが原因しているのだが、特産品のブランド化がしっかりなされていないがゆえに、栽培管理が全くなされないことにもよる。

 これからの時代は、1農家単独で無農薬なり有機栽培で本当に美味しいものを収穫し、自ら販路を作り上げていくしかないのかもしれない。それが成功したら、その方のご尽力で輪が広がり、地域特産品が再構築されるというもの。これからの農業は、こうした形でないと発展することはないのではなかろうか。
 そして、これによって消費者も本当に良い物が得られるのであるから、消費者側も広域的大量流通の農産物を避け、対面販売を求めるように変わらねばならないのである。見てくれが良くて安いものをいつまでも追い続けていては、どんどん不味くて体に悪い野菜を自主選択することになってしまうのである。

 こんなことどもに思いを巡らしながら、今日、「徳田ねぎ」を収穫し箱詰めして妹に送ったところであるが、小生とて、無農薬有機栽培を始めて2年しか経っておらず、まだまだ素人であり、大きなことは言えない。各種有機肥料の組み合わせ、施肥量をどの程度にするか、といったことは、これからの研究テーマであり、より美味しい、より健康に良い野菜作りに挑戦していかねばならない。
 農業は奥深いものがある。研究し尽くして、これで終わり、ということは決してない。ファーマシー(薬屋)稼業の傍らファーマー(百姓)をさせていただけることに感謝し、ともに一歩一歩前に進んで行こう!
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木村

当地は越津ネギという銘柄であるが、今年は種屋で苗を買って8月に植え付けた。銘柄を確認していないが越津ネギだと思う。来年用にねぎの苗作りをしていますので、来年は間違いなく越津ネギになる。先輩の徳田ネギとは兄弟関係である。あまりの美味しさに先日1畝盗まれた。今日、そのネギの周りにも有刺鉄線で囲った。今度とられたら、正月用にもてなすネギがなくなるかもしれない。死活問題である。

先輩のこのブログをよんで良い野菜の作り方(広め方)は、自給自足農業しかないと確信を持ちました。なぜかと言えば売れば必ず利益を狙うからです。そうすればどこかで手抜きが要ります。その繰り返しが一般農業であると思います。

農業は発展をしてはならないと思います。だから、生活を切り詰めて、物を買わないことがキーポイントであると確信します。そうしなければ美味しいネギは出来ないと思います。美味しい野菜を食べる以外に幸せは存在しません。飛躍している理論かもしれませんがこれが真実です。
by 木村 (2013-12-26 19:15) 

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