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5.29 魂が飢える [学び]

 近畿日本ツーリストの系列と思われるクラブツーリズム㈱発行の「旅の友」。女房がそこの会員バスを利用したことがあるから毎月送られてくる。
 その6月号の特集記事「上様のヘルスケア」と題して、徳川家康の養生法が4ページにわたって紹介されていた。
 どれもだいたい承知していたことであったが、初耳な事柄が一つあった。それをここに抜書きする。

 天下人の食習慣
 「人間は腹ふくれると魂が飢えるものだ。気をつけよ」。そう語っている家康の食生活は、…腹八分が基本。…

 家康のこの言葉の出所はどこかとネット検索で探っていったら、どうやら次のようである。
 1983年のNHK大河ドラマ「徳川家康」で、家康の臨終のときに言った言葉。原作者:山岡荘八の小説には「人間は腹がふくれると、次には魂が餓えるものじゃ。その魂を養う糧は学問…怠らずにな、急がせよ…」と書かれている。

 さて、ここで言う「魂が飢える」とは、どういう意味か。
 家康の食生活からしてみると、「魂」は「心、精神、気持ち」という意味で、「飢える」は「強く求める」ということになろうか。
 食欲煩悩が満たされすぎると、金欲、権利欲、名誉欲など為政者としてあるまじき煩悩が暴走を始める。粗食で腹八分に止め、日々学問を積み、正しい心を養うことだ。
 このように小生は解したのですが、いかがなものでしょうか。

 この言葉は史実にはないようで、山岡荘八氏の手による創作と思われるのですが、けだし名言である。
 家康の臨終の頃は天下泰平となった世の中。でも、少なくともこの頃までは、上様から下々の者まで、「朝食抜きの1日2食、麦飯」であったのは間違いのないことで、家康は「1汁3菜の腹八分」でしたが、お偉いさんたちはおかずとして「ご馳走を満腹に」食べていたのかもしれません。そして、その後のお家騒動。
 現代の飽食時代。日本人皆、「魂が飢えに飢えている」と思わせられますね。1日1食生活の小生とて晩飯は「腹が膨れすぎるほどに膨れる」状態にありますから、何ともならんですわ。

 しかし、「人間は腹ふくれると魂が飢えるものだ。気をつけよ。」という、この言葉を肝に銘じておきたいものです。
 今日はいい言葉に出くわしました。
 
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