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3.21 暑さ寒さも彼岸まで [学び]

<一日一楽日記>(落ち込みから脱却・幸せ膨らむ ※1
 今日はお彼岸の中日(ちゅうにち)である。「彼岸」という言葉は仏教由来のものであるが、仏教には「彼岸」に季節的な概念は入っておらず、祝日とするいわれもない。日本独自のものである。よって、これは、日本古来の土俗的な祖霊信仰が起源だろうと言われているが、これだけではなかろう。
 彼岸に関係する慣用句として「暑さ寒さも彼岸まで」があり、挨拶でよく口にする。転じて、「辛いこともいずれ時期が来れば去っていく」というものもあり、彼岸ともなると、この先一番良い気候を迎えることになり、心を明るく楽しくさせてくれる。彼岸の中日は春分でもあり、何か祝いをしていい時期だ。
 ところで、気候というものは世界各地様々である。その気候によって人間の思考方法、論理が大きく影響されるように思われ、興味深い。
 そこで考えてみた。「1の文化」のユダヤ人、「2の文化」の西欧人については、安田喜憲氏、加藤隆氏、鈴木英夫氏が、当地の気候と絡めて、その思考方法、論理を解説しておられる。 
 じゃあ日本人はどうなのか、誰かがすでに言っているかもしれないが、小生には「3の文化」だと思われて仕方がない。それを簡潔にまとめて言うと、
①灰色を好む文化
 日本人にとっては、白黒をはっきり付けない決着、これが思慮深さの表われとして評価され、意見が対立すれば玉虫色にして解決を図る。
②3つで安心する文化
 「3大××」や「3××」という形、例えば日本3大祭、日本3景という形でくくられることが多い。数が多すぎれば33箇所霊場巡りとなる。さらに、その派生型である「3つで全部」という考え方も根強いものがある。3種の神器、3拍子揃う、などである。
 比較する場合にも、基本的には、優良可、大中小、上中下の3択である。そして、「中庸をよし」とする。
③ 暑さ寒さも彼岸まで
 こうした「3の文化」は、やはり気候が大きく影響していると思えるのである。
 日本の気候の特徴は、夏の「暑」と冬の「寒」そして「どちらとも言えない」春秋の「暖」の「3つ」であるからだ。
 この文化から生み出されたものが、世界に誇り得る「匠の技」であると考える。匠の世界は「白か黒か」というデジタルを拒否し、極めてアナログ的である。「灰色」は特定の1色を指すのではなく、白から黒までの間の区切りの付かない、無限の濃淡を持つアナログの世界である。だらだらと変わっていく「暖」の気候そのものであり、これがものづくりの基本となり、そうした微妙な変化をとことん追求し、それによって極めて精緻、精密なものとなる。
 世界は広い。「4の文化」のインド人、「5の文化」の中国人もいる。そして最も興味深いのは「0の文化」の狩猟採集民である。
 こうしたことに関して、9年前に小生がまとめた論文が次のものです。
  数の文化と論理
 お暇がありましたら、クリックしてご覧ください。30分ないし1時間ぐらいはかかりましょうか。「0の文化」は長文で小難しいですから、「5の文化」までなら、比較的楽にお読みいただけますよ。
 9年前に書いた論文を懐かしく思い出し、今一度全文を読み直したところです。あの頃はまだ若かった。よう、あそこまでいろいろと調べ、持論を展開したものだと、我れながら感心しています。
 いずれにしても、「お彼岸」、「暑さ寒さも彼岸まで」という日本独自の文化を大事にしたいと思います。今日は、お彼岸の中日。天気は雨で来店客も少なく、論文を読み直したり、この記事を打ったりして、のんびりやっています。平和。
  
<2日前の日記:夕食>(記憶力増強トレーニング ※2
3品思い出す。うち1品は別のもの。2/4で50点

※1 2012.9.2別立てブログ記事で書きましたが、毎日何か楽しい出来事が少なくとも1つはあったはずであり、それを書き綴っていけば落ち込みから脱却できるとのことで、小生も“一日一楽”日記を付け始めました。
 また、このブログの2015.3.3の記事で紹介しました、ひすいこたろう著「ものの見方検定」に書かれている「小さな幸せに気づくレッスン」で次のように述べられています。
 「わたしは今日幸せでした。なぜならば…」、これの続きを3つ考えてから寝てください。寝る前に幸せを味わって眠ると、不思議と、朝起きたときの表情が違うんです。これも続けるとよくわかるのでぜひお試しくださいね。
 小生も早速これを始め、うち1つを記事にしたところです。
※2 2014.6.3ブログ記事「 100歳までボケない101の方法 」で書きましたが、その中で衝撃を受けたのが「2日前の日記を付けよう」で、次のように書かれています。
 記憶力を維持し、さらには高めることができ、ボケ防止に役立つ効果が大きいから、ぜひやってみてください。例えば2日前に食べたものを思い出すのはどうでしょう。前日のことならかなり鮮明に覚えていると思いますが、2日前となると途端にあやしくなりませんか。
 よって、小生も早速2日前の日記を付け始めたところです。
コメント(2) 
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コメント 2

天安

唯一神のユダヤ文化、バイナリー(二分律)の西洋文化、そして
灰色=中庸の日本文化。とても納得のいく観点ですね。
日本と韓国と比べると、その伝統的音楽のリズムが、日本はだいたい
4拍子で韓国は3拍子になることが多いです。それでわたしは以前、
『おしょうしな韓国』の中で、韓国は3、日本は4、
韓国は天、日本は地、といった論を展開したことがあります。
三大寺などの使い方は韓国でもけっこうあって、このあたりは
日本が4なのか3なのかは(韓国と比べる限り)はっきりしない
部分もあります。
でも、一楽さんのこの論の展開には素直についていけますね^^。
日本が3か4かは別にして、日本が灰色、アナログ、中庸の
文化であることは日本人も世界の人もついていける論の展開だと
思います。
力作「数の文化と論理」は一楽さんおっしゃるように一部読ませて
いただきました。得るところ大なる文章です。よく咀嚼して
考えを広げる土台としたいと思います^^。

by 天安 (2019-03-24 09:23) 

どろんこ

天安さん、コメント有り難うございます。
貴兄の著書で、韓国は3、日本は4、韓国は3拍子になることが多いというのを読みました。そうした面も確かにありましょう。日本に「四天王」という言葉もありますから。
小生の拙論「数の文化と論理」をお読みいただき、有り難うございます。こうした捉え方もあるな、とお考えいただければ幸いです。
by どろんこ (2019-03-24 16:12) 

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