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8.7 ヒトの形質変化は将来どのように進むだろうか(その4) [人類の未来はどうなるか]

<一日一楽日記>(落ち込みから脱却・幸せ膨らむ ※1
 「ヒトの形質変化は将来どのように進むだろうか」に関して、その3で「消化器系」について記した。今日は「咀嚼器官」についてである。

咀嚼(そしゃく)器官
 霊長類は全ての種が犬歯を持っている。皆、立派なものだ。これを闘いに使う。闘いといっても、そのほとんどは同種間での争いであり、オスに卓越する。
 ところが、ヒトは猿人の段階でかなり犬歯を退化させ、原人ともなると現生人類にほとんど差がないほどに退化させた。ダーウィンの進化論(自然淘汰、適者生存)では説明できない現象である。なぜか?ということになるが、本稿ではそれに触れないこととする。
 食性において犬歯の退化は利点があるかどうかであるが、狩猟で得た動物の皮や肉を引き裂くには犬歯はとても便利なものである。チンパンジーは、ときに肉食をする。彼らにとって犬歯はナイフ代わりになり、重宝しているであろう。
 チンパンジーは乾季には主食とする果物が手に入らず、硬い豆を食べることがある。よく噛まねば消化不良を起こすから、豆を噛み砕き、磨り潰しを図ろうとする。彼らの顎の筋肉は発達しており、歯も歯茎もヒトよりうんと丈夫にできているから、硬い豆であっても噛み砕きは難なくできる。しかし、磨り潰しができないのである。犬歯が邪魔をして上顎(あご)、下顎を左右前後に動かすことが全くできない構造になっているからだ。ウシやウマ(犬歯は退化している)のように食べ物を磨り潰すことは不可能だ。
 ところが、ヒトの場合は、犬歯が退化したお陰で、ウシやウマのような形で上顎、下顎を左右前後に動かして食べ物を磨り潰すことができるのである。ために、顎の筋肉が衰えたのかどうかは定かでない(オス同士の噛みつき合いがなくなった可能性もある)が、歯も顎もチンパンジーに比べて随分と脆弱になっている。

 昔のヒトは、ある程度硬いものを噛んだり、野菜を磨り潰したりといった、咀嚼を毎食しっかりやっており、胃腸に負担を掛けず、十分な消化吸収ができた。そして、虫歯もないし、歯茎の健全性が保たれ、歯槽膿漏になって歯が抜け落ちることもなかった。
 体の器官は使えば使うほど発達するのであり、昔のヒトは顎が発達し、四角顔が一般的であったが、江戸時代には既に将軍顔(逆三角形の顔型)が出てきたように、柔らかいものばかり食べるようになると、顎の発達が弱まり、歯並びも悪くなるのである。
 現代においては、皆、将軍顔になる傾向にある。幼少の頃から柔らかい食事ばかり食べさせていると、ある程度噛んだほうがよいものまで噛まずに流し込むようになる。
 “カーチャン ヤスメ ハハキトク”(母ちゃん休め、母危篤)という語呂合わせがある。
 カー(カレーライス)、チャン(チャーハン)、ヤ(ヤキソバ)、ス(スパゲティ)、メ(メダマヤキ)、ハ(ハンバーグ)、ハ(ハムエッグ)、キ(ギョーザ)、ト(トースト)、ク(クリームシチュー)という料理である。
 今後、ますますこの傾向は強まるであろう。
 既に、たいていの日本人は親知らず(第三大臼歯)がちゃんと生えて来ず、もともと親知らずが存在しなかったり、4本揃っていない場合も多い。硬いものをあまり食べなくなって、顎の骨は縮小傾向にあり、最後に生えてくる親知らずが並ぶだけのスペースが足りなくなったことが原因している。さらに最近では、上顎犬歯までもが埋伏傾向にあり、日本人の子ども3%程ほどがそうなってきている。
 霊長類はどの種も皆、4種類36本の歯を持っているのだが、ヒトは第三大臼歯を捨て去りつつあり、霊長類にはない32本の歯の持ち主に間もなくなり、将来的には犬歯も捨てて28本の歯の持ち主になるであろう。さらにその先、24本、20本と歯を減らしていくかもしれない。
 哺乳動物という呼び方は生後ほんのわずかの期間の特徴を捉えて言う言葉であり、この表現よりも、その後の長い生息期間の特徴を捉えて“咀嚼動物”というべきであると主張する生物学者がいるほどである。将来の人類は、その食習慣の大きな変化に伴い、いずれや“咀嚼動物”と呼べなくなる可能性もある。
 それに伴って、唾液の分泌を減らす(今日でもその傾向が出ている)ことになり、幾つかの障害が生ずる恐れもある。唾液が十分に分泌されると、食事中に歯の「再石灰化」が大きく進んで、虫歯が防げる。また、唾液には幸せホルモンと呼ばれるβエンドルフィンが含まれており、これが十分出れば、精神を安定させ、ストレスを消してくれる。
 なお、よく噛むことが脳細胞に心地好い刺激を与え、脳を活性化し、理解度、記憶力を良くする、つまり子供は頭脳明晰、年寄りはボケなくなるのである。
 よく噛まず、唾液の分泌が少なくなれば、こうしたことは保証されなくなり、虫歯は増えるし、心の不健康さを大きく推し進めることにもなるであろう。
 なお、今時点では咀嚼や唾液は食べ物の消化に役立っているが、将来は格段に消化のいい食品がどんどん開発され、噛まなくても胃腸に負担がかかる心配はなくなろう。
 極端な逆三角形の顔で、おちょぼ口、神経質そうな目をした宇宙人の想像図を思い出したが、人類も遠い将来は、そんなふうになりそうだ。
(今日はここまで) 

<2日前の日記:夕食>(記憶力増強トレーニング ※2
5品思い出す。うち1品は別のもの。1品はなし。3/6で50点

※1 2012.9.2別立てブログ記事で書きましたが、毎日何か楽しい出来事が少なくとも1つはあったはずであり、それを書き綴っていけば落ち込みから脱却できるとのことで、小生も“一日一楽”日記を付け始めました。
 また、このブログの2015.3.3の記事で紹介しました、ひすいこたろう著「ものの見方検定」に書かれている「小さな幸せに気づくレッスン」で次のように述べられています。
 「わたしは今日幸せでした。なぜならば…」、これの続きを3つ考えてから寝てください。寝る前に幸せを味わって眠ると、不思議と、朝起きたときの表情が違うんです。これも続けるとよくわかるのでぜひお試しくださいね。
 小生も早速これを始め、うち1つを記事にしたところです。
※2 2014.6.3ブログ記事「 100歳までボケない101の方法 」で書きましたが、その中で衝撃を受けたのが「2日前の日記を付けよう」で、次のように書かれています。
 記憶力を維持し、さらには高めることができ、ボケ防止に役立つ効果が大きいから、ぜひやってみてください。例えば2日前に食べたものを思い出すのはどうでしょう。前日のことならかなり鮮明に覚えていると思いますが、2日前となると途端にあやしくなりませんか。
 よって、小生も早速2日前の日記を付け始めたところです。
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