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8.18 ヒトの形質変化は将来どのように進むだろうか(その5) [人類の未来はどうなるか]

<一日一楽日記>(落ち込みから脱却・幸せ膨らむ ※1
 「ヒトの形質変化は将来どのように進むだろうか」に関して、その4で「咀嚼器官」について記した。今日は「体液循環」についてである。

体液循環
 大海に浮かぶ島々、これが人体と言ってもいい。人体は、大人で6割程度が水分で占められており、細胞の周りはたっぷりの体液で浸されている。この体液循環が円滑でないと、様々なトラブルを起こし、ひどければ死に至る。
<血液>
 ヒトは重力に逆らって、直立姿勢を取る。同じ体格のイヌ(心臓の位置と脳の位置はほぼ水平)とヒト(心臓の数十cm上に脳がある)を比べると、ヒトは重力に逆らって血液をポンプアップせねばならない。ために、イヌは血圧が90で済むが、毎日よく動き回る狩猟採集民の血圧は110(文明人はこれより高いが、これがヒト本来の血圧)とイヌより20高くせねばならない。ちなみにキリンとなると2mポンプアップせねばならず、血圧は250ほどになる。でも、ヒト、キリンとも、これに耐えられるだけの心筋は十分に獲得していると考えていいだろう。
 体液循環で最重要なのは酸素を運ぶ血液であり、血液循環は、1に呼吸、2に筋肉運動、3に心臓のポンプ作用で行われている。呼吸法が一番重要であり、二番目が十分な筋肉量(特に足)の保持であって、心臓のポンプ能力は取るに足りない役割しか果たしていない。呼吸がメインポンプ、筋肉がサブポンプ、心臓はミニポンプといったところだ。
 なぜ呼吸が一番大事かというと、息を吸ったときに肺が膨らみ、内臓を圧迫して内臓を取り巻いている血管の血液を心臓へ戻すのであり、息を吐いたときには内臓は減圧されて内臓を取り巻いている血管に心臓から血液が流れ込むのである。筋肉(特に足)も同様で、片方の筋肉が緊張し、反対側の筋肉が弛緩することによって、全身血流が促進されるのである。
 年を重ねることによって動脈硬化を起こした場合に、血流を以前と同程度に保とうとして、血圧を上昇させる。それが心臓の役割ということになる。なお、狩猟採集民は動き回るから、年をとっても動脈硬化せず、血圧は110で変化しないのが一般的だ。
 さて、動物はたいてい腹式呼吸する。ところが、ヒトの場合、直立姿勢を取ることから、地球の重力で内臓が圧迫ぎみとなり、胸式呼吸に頼る傾向が少なからず出てくる。文明人となると衣類やベルトで腹を締め付けることが多くなるから、その傾向を増す。
 こうなると、主要血流を作り出し、かつ、内臓血流を十分にすること、その両方が不十分となり、体は酸欠傾向に陥る。すると、体がだるくなるのだが、そうしたことが恒常化していれば、それに慣れてしまって気が付かない。
 運動をしなくなった文明人は、特に歩かないから足の筋肉が細い。太そうに見えても、それは脂肪が巻いているだけのことである。同じ歩くにしても、筋肉が細ければポンプ能力が小さく、血液循環も弱くなる。少々の肉体労働で息が上がるのは、これによる。
 より高度な文明社会になると、ますます体を動かす必要がなくなり、たっぷりと血液循環させる必要もなくなるから、特段問題は生じないが、ちょっと動くとすぐバテる、といった状態になろう。

<津液(しんえき)循環>
 津液という言葉は漢方で使う言葉であるが、血液以外の全部の水分といったものであるから、血液以外の体液循環を指すと考えて差し支えない。
 毛細血管からは酸素や栄養分が血管壁から外へ染み出る。これによって大海を満たすと言っていい。その酸素や栄養分は島である細胞に取り込まれ、細胞はそれを代謝して、老廃物を吐き出す。細胞に取り込まれなかった酸素や栄養分それに細胞から吐き出された老廃物は、大海を漂い、しばらくしてリンパ管に入り込み、リンパ管の中をゆるやかに流れて静脈に流し込まれる。ここから先は血液循環によって腎臓で老廃物をこしとることになる。
 さて、問題なのは、この津液循環がスムーズにいくかである。血液と同様に、これは呼吸による横隔膜の運動によって、内臓に圧を掛け、減圧する、この繰り返しでもって、行うしかない。内臓に圧がかかれば、津液はリンパ管に入り込んで流れ、減圧になるとリンパ管の中にある逆流防止弁で流れはストップする。緩やかな流れとストップを繰り返しながら、津液はやがて静脈に入るのである。なお、静脈にも逆流防止弁がある。
 この津液循環がスムーズにいかないことには、いくら血液循環が良くても意味を成さない。酸素も栄養も行きわたらないし、老廃物も運び去られない。
 文明生活に馴染めば馴染むほどに津液循環が悪くなる。胸式呼吸がこれに拍車を掛ける。なんせ横隔膜の運動に頼るしかないから。そして、体の曲げ伸ばしといった、内臓を圧迫したり弛緩したりする運動が臨時的に大きく津液循環を促進する助けになる。
 我々は、血液循環がうまくいっていれば、それで十分だと思ってしまいがちだが、細胞への酸素や栄養の供給は大海でなされるのであり、海流こそが重要で、海流つまり津液循環をスムーズにして、はじめて全身に酸素や栄養が行きわたるのである。このことを忘れてはならない。
 じっとして動かない高度文明生活、これでは津液循環がますます悪くなり、先が思いやられるが、ここに救世主現る!である。ヒトは幸いかな、チンパンジーなど近縁の霊長類にない特技を持っている。随意呼吸ができるのである。
 前にも書いたが、言葉を発するには、随意呼吸ができ、口呼吸ができること、この2つが自由に行えないと不可能なのである。チンパンジーに“はい、息を止めてぇ…、はい、息を吐いてぇ”と、いくら訓練しても全くできないのである。彼らは随意呼吸ができないのだから。
 よって、健康体を維持するには、この特技を使うしかない。意識して大きく腹式呼吸をすることである。今、ヨガ、太極拳などが静かなブームとなっているが、丹田呼吸法など腹式呼吸法はいろいろあり、これを実践するのみである。
 人類の未来は明るい。津液循環は心配するにあたわず、である。もっとも腹式呼吸を意識して行わねばならないが。(体を大きく曲げ伸ばしする運動を絶えず、例えば毎日百姓すりゃ、そんなのは無関係だが。)

<内臓癒着(ゆちゃく)>
 体液循環に関連して、内臓癒着についても触れておこう。
 哺乳動物は四足歩行を前提にして、内臓の配置と保持を理想形に完成させた。頭に近いほうに肺を置き、横隔膜(これが血液循環や津液循環を生み出す最大のポンプ)を隔てて、消化器官その他の内臓を配置する。そして、各臓器は背骨で吊り下げられ、内臓同士が互いに圧迫し合うことはない。
 これは真横に並ぶからであるが、ヒトは直立したから、たまらない。洗濯竿と洗濯物に例えられるのだが、四足動物の場合は水平な竿に洗濯物がハンガーで吊り下げられている形を取るも、ヒトの場合は竿を垂直にしたから、ハンガーに吊り下げられた洗濯物は互いにくっ付き合い、乾かなくなるのである。
 ここに内臓癒着が生じやすくなり、腸閉塞も起こす。また、地球の重力に逆らえず、胃下垂、脱腸、脱肛など様々なトラブルも発生するのである。
 これを予防するには、前屈、背筋、腰のひねりなど体を大きく動かす運動を毎日何度も行わねばならない。狩猟採集民の日常生活のように。デスクワークばかり、車に座ったまま、という生活では、いずれはどこかに障害を起こす。
 内臓の配置と保持は完成されたものであり、直立したからといって配置や保持は変えようがない。横隔膜からぶら下げれば内臓癒着は防げようが、そうなると横隔膜の上下運動がおろそかになり、血液循環や津液循環が滞り、それこそ命に係わることになりかねない。
 弱ったものである、直立姿勢は。いかんともしがたい内臓癒着である。

<2日前の日記:夕食>(記憶力増強トレーニング ※2
6品思い出す。うち1品は別のもの。2品はなし。3/7で40点

※1 2012.9.2別立てブログ記事で書きましたが、毎日何か楽しい出来事が少なくとも1つはあったはずであり、それを書き綴っていけば落ち込みから脱却できるとのことで、小生も“一日一楽”日記を付け始めました。
 また、このブログの2015.3.3の記事で紹介しました、ひすいこたろう著「ものの見方検定」に書かれている「小さな幸せに気づくレッスン」で次のように述べられています。
 「わたしは今日幸せでした。なぜならば…」、これの続きを3つ考えてから寝てください。寝る前に幸せを味わって眠ると、不思議と、朝起きたときの表情が違うんです。これも続けるとよくわかるのでぜひお試しくださいね。
 小生も早速これを始め、うち1つを記事にしたところです。
※2 2014.6.3ブログ記事「 100歳までボケない101の方法 」で書きましたが、その中で衝撃を受けたのが「2日前の日記を付けよう」で、次のように書かれています。
 記憶力を維持し、さらには高めることができ、ボケ防止に役立つ効果が大きいから、ぜひやってみてください。例えば2日前に食べたものを思い出すのはどうでしょう。前日のことならかなり鮮明に覚えていると思いますが、2日前となると途端にあやしくなりませんか。
 よって、小生も早速2日前の日記を付け始めたところです。
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