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1.8 鉢植のヤーコンに一輪の花が咲いた [稼業]

 毎年初夏から葉が枯れるまで店頭に飾っているヤーコンの鉢植です。一昨年の正月に初めて花が咲き、昨年はだめでしたが、今年は今日開花しているのを発見しました。
 直径25ミリ程度の小さなヒマワリの花といったところです。
 たった一輪咲いただけで、畑で栽培するようにたくさんの花を付けてはくれませんから残念ですが、でも、可憐な花を見ていると、思わず笑みがこぼれますし、心が安らぎます。

 「一輪の花」で思い出すことがあります。
 仏教の中でも抜きん出て美しさを持った華厳経です。その華厳経の教えの中に次の言葉があります。
 「野に咲く一輪の百合の花には一切の如来が一つの光線でもって入り込んでおり、其の処においては一切の仏国土が充満している。」
 つまり、「一輪の花は全宇宙である」とするもので、このことについては、華厳経の中で次のようにも書かれています。
 「菩提を求めるこころを発するならば、微小の世界がすなわち大世界であり、大世界がすなわち微小な世界であることが分かるのである。…仏の一毛穴のなかには一切世界が入り、一切世界を見ることは仏の一毛穴で知ることである。」

 何やらおかしなことが書かれているように思えるでしょうが、これは「部分が全体であり、全体が部分である」と同時に「部分と全体は一致する」という発想<対称性の論理:対称性の思考>に基づくものです。
 ますます怪しい、人を惑わす思想だと思われるでしょうが、20世紀初頭に量子論を打ち立てたハイゼルベルグは、そのような思考が、物質の神秘を解く鍵を握っていると言っていますから、これは決してまやかしではなさそうです。
 なお、「部分と全体は一致する」という思考については、数学の無限の性質から説明できるとのことで、何とか納得がいきます。

 でも、そうした小難しいことをあれこれ考えなくても、ヤーコンの可憐な一輪の花を眺めているだけで、大自然の奥深さが伝わってくるのですし、自分のこころと小さな花のいのちが一体になれるような気分になってくるのですから、私は、その感情を大切にしたいと思っています。
 ヤーコンに咲いた一輪の花、ありがとう。
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