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1.10 人と比べるな!「むかしの自分」と比べよう [学び]

 齋藤茂太さんの著“「あなたと会うと元気になる」といわれる人の共通点”の最終章の最後の1節が次のものです。なお、この本からの引用を何度かしてきましたが、今回で終わりとします。あとは、皆さんで本を買ってお読みになってくださいね。(ぶんか社文庫 552円+税)

 人と比べるな!「むかしの自分」と比べよう
 良寛さんも、酒を飲んで気が大きくなり、ぺらぺらしゃべりすぎ、翌日に
「なんだか自慢話めいたことを話してしまった。理屈をこねていたな」
 と恥ずかしくなって、反省する日がたびたびあったのだろう。
 それでも自分を律し、明日はもっとよい人間でいたいと祈ったことだろう。そういう日々を越えて、あの無邪気な良寛さんをつくったのだ。
「本当にあの人はいい人だ。素敵で、会えば元気になる」と思われる人も、生まれたときから純粋さを持っていたわけではなく、悩み、妬み、落ち込み……などを自分なりに克服して得た「明るさ」なのではなかろうか。
 生きるというのは、それだけで修行みたいなものだ。宗教家や哲学者ではなくても、「自分は何で生きているのだろう」と思うことは一度はあるだろう。生活の雑事の中で悩み、苦しみはつきることがない。
 そんな中で、会えば元気にさせてくれる人は、あなたにとってかけがえがない財産だ。そんな「人を元気にする人」の特徴を見ると、悩みながらも、
「自分に素直に生きよう」
 と心がけている人だ。だから、人と比べたり、妬んだり、グチをいったりしない。そこが、人を安心させてくれる。
 誰のせいにもしない、自分がつくる生活、自分がつくる人生、人と比べてああだこうだといったところで何の意味もないことを心得ている。
 ここで忘れてはならないことは、
「良寛さんも、若いときにはいろいろ失敗をし、恥をかいてきた」
 ということだ。私たちには「子どもと鞠をついて遊んでいるやさしい人」というイメージしかないが、それは「晩年の姿」である。
 良寛さんも、あなたと「同じ年」のときがあった。良寛さんの20代はどうだったのか、30代は……40代は……と、今の自分の年と照らし合わせて想像してみよう。それだけで、じゅうぶんに楽しい時間が過ごせよう。
 どうしても人と「比べてしまう」という人がいる。人と比べて「自分は……」と考え、自分の悩みを自分で大きくしている。そんな、「比べ癖」の治らない人は、思いきって、「むかしの自分」と比べてみてはいかがか。
 生まれてからこれまで、自分がどのように「進歩してきたか」「何ができるようになったか」をじっくりと検証してみよう。
●5年前にはできなかったことが、今は簡単にできる
●2年前、どうしてあんなことで悩んでいたのだろう
●去年は失敗したが、今年は楽々と成功した
 ……と、自分で獲得したものをひとつずつ並べてみよう。トロフィーを棚に飾るように、である。
 これまた、じゅうぶんに楽しい時間を過ごせるのではあるまいか。なかなか楽しい時間なのではあるまいか。
 そうやって、また元気にやっていこう。            (了)
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