SSブログ

8.5 ヒトの形質変化は将来どのように進むだろうか(その3) [人類の未来はどうなるか]

<一日一楽日記>(落ち込みから脱却・幸せ膨らむ ※1
 「ヒトの形質変化は将来どのように進むだろうか」に関して、その1・その2で骨格系について記した。今日は消化器系について記す。

 消化器系
 ヒトの本来の食性は完全な植食性と考えられるが、その後、芋を主食とし、順次肉食を取り入れ、その後に穀物を主食とするというのが大まかな食性変更であるも、現在においては地域や民族において様々な食性に変化してきている。なかには、これが同じヒトの食い物か!とビックリさせられるほどに食性の違いが生じている場合もある。
 本来の植食性を押し通せば、主として大腸において腸内細菌がヒトには消化不能な食物繊維を分解し、各種短鎖脂肪酸を作ってくれ、これがエネルギー源となるし、併せてアミノ酸やビタミンを合成してくれるから、葉野菜・根野菜だけで健康で過ごせる。
 しかし、人類の遠い祖先は、これが欠乏したのであろう、新たに芋を食糧としたことは間違いない。でんぷん消化酵素が格段に出る体質を獲得したからだ。
 ついで、肉食(タンパク質と脂肪)を取り入れ、タンパク質消化酵素が十分に出るようになり、脂肪については脂肪消化酵素と胆汁が十分出るようになった。そして、農耕を始めた地域では穀類(タンパク質と脂肪がけっこう多い)を主食とした。ただし、これらについては、まだ地域差・民族差がかなりあるも、将来は肉食傾向に大きく進むだろうから、タンパク質と脂肪の消化酵素などはますます分泌されやすくなることだろう。
 6大栄養素として謳われているのは、「炭水化物、脂肪、タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維」(これは以前の並べ方で、今は炭水化物とタンパク質がひっくり返しの順番になっている)であるのだが、本来の食性は最後の食物繊維(その昔は栄養素に加わっていなかった)だけで十分で、それを摂っていればミネラルもビタミンも自動的に十分に賄えたのである。「炭水化物、脂肪、タンパク質」つまり「穀類、肉そして植物油」は、当初はヒトの代替食糧に過ぎず、その消化に相当苦労したに違いないのであるが、各種消化酵素などがよく出るような体質にヒトは変化し、今では代替食糧が3大栄養素とされ、4番目以降の3つの栄養素は付け足しに過ぎない地位にされてしまっている。
 ヒトほど何でも食べる、どんな食糧にも適合していく動物は珍しい。イヌやネコはネギが食べられない。ネギを食べると赤血球が破壊されるからだ。そして、動物一般に天然の生ものを食べているから、それらには往々にして毒があるので、安全が確認されている物しか口にしないのである。
 加えて、ヒトは早くて1万年ぐらい前(遅くて5千年ほど前)から、これは牧畜に伴ってであるが、動物の乳(乳糖:ラクトース)の消化能力を順次永久獲得しつつある。乳糖は消化酵素ラクターゼで分解するのだが、乳飲み子にはこの酵素を働かせることができるも、乳離れするとだんだん活性を失い、大人は全ての動物、この消化酵素が働かなくなる。しかし、動物の乳を毎日のように十分な量を飲み続けると、幾世代もが経過した後には、ラクターゼを永久に分泌できるようになり、加えて、この獲得形質(乳糖耐性)は遺伝するまでになったのである。牛乳文化は広がりを見せており、将来的にはヒトは広く乳糖耐性を獲得するようになるであろう。
 消化酵素などは、使えば使うほど分泌力が高まるという「用不用の法則」が働いて、ヒトは今現在の消化器系の能力で将来とも何の心配もいらないといったところだ。

 残された唯一の問題は、人類はつい先日まで飢餓に苦しまされてきたことであり、飽食はほんの一握りの支配階層以外は経験していない。それが皆、飽食する時代がだんだんやってきて、それがどんどん広まっていく。ヒトの体も動物一般と同様に、飢餓に耐えられるようにできているが、飽食に耐えられる手立ては何も持ち備えていない。過栄養は、とりあえずどこかに適当に蓄えようとするだけであるから、様々なトラブルを起こす。
 なお、動物一般に、秋に飽食して脂肪を溜め込み、冬場にそれを食いつぶし、春先にはガリガリに痩せてしまう傾向が強いが、溜め込みは体に相当な負担(特に毒素の抱え込み)がかかっているようであり、痩せるときに解毒(毒素排出)して、正常な体に復帰させていると考えられる。
 さて、懸案事項が一つある。炭水化物の消化による最終産物はブドウ糖であり、飽食によって高血糖になりやすい。炭水化物の摂取を制限すれば済むという問題でもない。過剰摂取のタンパク質や脂肪も回りまわってブドウ糖に変換されるからだ。
 高血糖つまりエネルギー源となるブドウ糖のだぶつきは、応急的に細胞内に取り込ませるインスリンの働き以外に手立てがない。ところが、恒常的に飽食を続けていても、今のところインスリン分泌能の向上は認められないようである。いや、逆にインスリン分泌能が低下するのが実態だ。これは、インスリン分泌能が際限なく向上すると、体重増加は止まるところを知らず、200kg、300kgと増え続け、ベッドに横になったまま動けなくなり、やがて死に至る(現実に米国では幾例かあるようだが)こととなるから、生体反応としてインスリン分泌能が一定のところでブレーキが掛かる仕組みになっているようである、というか、そこまで食うアホな動物はいない、といったところだろう。
 飽食が続く人類の未来はどうなるであろうか。これについては、ゾッとさせられる説がある。“「空腹」が人を健康にする”(南雲吉則著)に次のように書かれている。

 この先、「飽食」の時代が続けば、やがて人類は摂食に関するほとんどの感覚器と運動器官が退化してしまうでしょう。
 体は高血糖の環境に何とか適応しようとします。すなわちいくら甘いものを食べても太らない体質を獲得しようとするのです。まずインスリンの分泌細胞を破壊し、太らない体を獲得するのです。それが糖尿病です。糖尿病になったら、次の標的は捕食器官です。食事を摂るための機能が優れていれば、どんどん食べて太ってしまうので、捕食器官を攻撃して太らないようにするのです。
 そのために、まずは目の網膜です。網膜を破壊して失明させればエサを見つけられなくなります。次は腎臓です。腎臓を破壊すれば糖が尿中にどんどん出ていってしまうので太れなくなります。そして足です。足の血管を破壊して足を腐らせてしまえば、もう獲物を追っかけることはできなくなってやせてしまいます。
 最後には、ヒトは口とお尻の穴だけがある、頭でっかちな、イモムシのような動物に変化していくだろうと想像されます。
(引用ここまで:部分引用につき、文の順番を入れ替え、一部文字挿入)

 ギョッとさせられますね。でも、糖尿病はこのようにして様々な病気を併発するのは間違いないですし、ヒトの食欲煩悩は衰えることを知りませんので、他の生活習慣病が克服されたとしても、糖尿病だけはどうにも防ぎようがないことでしょう。
(今日はここまで) 

<2日前の日記:夕食>(記憶力増強トレーニング ※2
外食につき脳トレならず

※1 2012.9.2別立てブログ記事で書きましたが、毎日何か楽しい出来事が少なくとも1つはあったはずであり、それを書き綴っていけば落ち込みから脱却できるとのことで、小生も“一日一楽”日記を付け始めました。
 また、このブログの2015.3.3の記事で紹介しました、ひすいこたろう著「ものの見方検定」に書かれている「小さな幸せに気づくレッスン」で次のように述べられています。
 「わたしは今日幸せでした。なぜならば…」、これの続きを3つ考えてから寝てください。寝る前に幸せを味わって眠ると、不思議と、朝起きたときの表情が違うんです。これも続けるとよくわかるのでぜひお試しくださいね。
 小生も早速これを始め、うち1つを記事にしたところです。
※2 2014.6.3ブログ記事「 100歳までボケない101の方法 」で書きましたが、その中で衝撃を受けたのが「2日前の日記を付けよう」で、次のように書かれています。
 記憶力を維持し、さらには高めることができ、ボケ防止に役立つ効果が大きいから、ぜひやってみてください。例えば2日前に食べたものを思い出すのはどうでしょう。前日のことならかなり鮮明に覚えていると思いますが、2日前となると途端にあやしくなりませんか。
 よって、小生も早速2日前の日記を付け始めたところです。
コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。