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12.28 韓流100話(その11)「銭湯で他人同士のアカスリ」 [韓流100話]

<一日一楽日記>(落ち込みから脱却・幸せ膨らむ ※1
 10月27日に紹介しました木口政樹さんの著「おしょうしな韓国 ほのぼの韓流100話」から、ビックリさせられるお話を、気まぐれ的にちょい出しして紹介します。今日はその第11回です。
54 モグヨクタン
 …銭湯のことを韓国語ではモグヨクタン(沐浴場)という。韓国に来てまだ間もないころだった。銭湯つまりモグヨクタンに行ってみた。それまでにもすでに何度か…行っていたので…基本的な順序などはわきまえたころだった。
 その日も、…まずは体でも洗うことにしようか、と思っていった矢先だった。とつぜん隣りの50歳ぐらいのオジサンが近づいてきた。アカスリ用の袋(アカスリをするためのタオルは手袋のような袋になっている)を差し出しながら、何かぶつぶつと言っている。わたしはまだ韓国語が自由というわけにはいかなかったため、彼が何を言っているのかちんぷんかんぷんだった。しかし、その様子から、ああ背中をこすってくれと言っているのだなとすぐに了解できた。しかしこれには面食らってしまった。…
 「いやあ、ちょっとそれはこまるんですけど」
とも言い出せなかった。韓国語のレベルがそこまでいっていなかったから。
 そこでここはとりあえず、彼に任せることにした。彼はまずせっけんで自分の体を洗った。わたしもその通りにした。全体的に終わろうとするころ、彼はわたしの背中を両腕でつかみ自分の方に向けるや、強引ともいえるような勢いでわたしの背中をこすりにかかった。痛いのなんの、日本人の皮膚はアカスリに対して抵抗力がない。しかしオレも男、ひいひい泣きっ面を見せてはおれん、というわけで、なんとかがまんしどおした。いやあ、落ちるわ落ちるわ、アカがボロボロ、ボロボロ。…あれは一種の快感だ。今度はわたしが彼の背中をこする番だ。…彼がしたようにまねをしてやってみた。ボロボロやはりアカはとめどもなく落ちる。手にもつく。しかしもうわたしも乗りかかった舟だ。不潔だのきたないなどと言ってはおれない。とにかく彼に対して失礼にならないように精一杯やった。…日本ではこういう光景はほとんど見られない。…見知らぬ同士が風呂場でアカをこすり合う、ということはおそらく現代の日本では考えられないことだろう。江戸時代の日本でだったら、銭湯で見知らぬ者同士が背中を洗い合うということがあったかもしれないが。
(引用ここまで)

 韓国の銭湯は日本の銭湯とさほど変わらないようですが、風呂の文化となると日韓で大きな違いがあります。その件(くだり)を別の項から紹介します。
74 風呂
 わたしは風呂が大好きだ。…韓国はどうか。…ほとんどの家庭ではフロはやらずシャワーだけである。…25年間の結婚生活で、わたしがお湯をはり、それに彼女がはいったことは一度ぐらいはあったかな。…彼女にとってははどうもめんどうなことのようだ。温泉に行っても、湯船に3分とつかっていられないという。…
 …こちら韓国に住むようになってから、…変化した。フロおけにお湯を満たしてフロをやっても、わたし一人。たまに子どもがはいるが…おのずとフロをすることがなくなっていったのである。さいきんでは、よほどのことがないと、自宅のフロにお湯をひくことはなくなってしまった。シャワーだけは2、3日に1回ぐらいのペースでやっているが…。それでもさびしいという気がしないのは、やはりナレということなのだろう。…人間とは順応する動物である…。
(引用ここまで)

 小生は著者と同様にお風呂大好き人間ですが、古来より日本人がそうだったわけではないようです。平安時代は上流階級といえども入浴習慣のみならず、体をふくことさえなかったようです。ために「香を焚く」文化が発達し、体の悪臭は香で誤魔化していたようです。
 それにしても韓国人は、シャワーだけを2、3日に1回ぐらいとは恐れ入ります。でも、ヒトはこれによって微弱にしか発することができないフェロモンを相手に嗅がせることができ、別の御利益が生じます。別立てブログで「フェロモン仮説=男と女はなぜに惹かれ合うのか」の中で、次のとおり紹介しました。

 …文明が進むことによって数多くの人々と接触するようになり、不快な体臭(臭い)を消すために、入浴なりシャワーを浴びる文化を持つようになったことである。
 これによって、ただでさえ少ししか発することができないフェロモンは、水であらかた洗い流されてしまい、フェロモン匂を嗅ぐ訓練がほとんどできなくなってしまったのである。
 男と女を強く惹き付け合うフェロモンであるからして、入浴は御法度であらねばならないであろう。と言うのは、昔の人はこれをよく知っていたと思われるからである。
 例えば、フランス皇帝ナポレオン・ボナパルトは、戦場から妻に宛てた手紙で「これから帰るから、風呂に入らないでいるように」と綴っている。
 また、日本においても、平安時代は入浴習慣がなかった。それを踏まえて「源氏物語」を読むと、その第3部「匂宮」の中に「匂う兵部卿 薫中将」の記述が登場するのであるが、兵部卿が発するにおいは「香を調合した臭い」であったのに対し、薫君が発していたのは「体から発していた強いフェロモン匂」であったと考えるしかなく、これによって物語の展開がよく理解できるという。
(引用ここまで)

 小生、先に記事にしましたように、かようなフェロモンの世界はたぶん卒業させられたし、これからは(すでに)加齢臭をしっかり消さねばなりませんから、毎日しっかりお湯に浸かり、とくに冬期は家庭でできる湯治を楽しみたいがために、毎日、フロにお湯をひく、これが唯一の小生の家事ですが、嫌がらずにやっております。
 今日の記事はたいへんな長文となりましたが、読者の皆様には最後までお付き合いいただきまして有り難うございました。
 
<2日前の日記:夕食>(記憶力増強トレーニング ※2
単品料理につき脳トレならず

※1 2012.9.2別立てブログ記事で書きましたが、毎日何か楽しい出来事が少なくとも1つはあったはずであり、それを書き綴っていけば落ち込みから脱却できるとのことで、小生も“一日一楽”日記を付け始めました。
 また、このブログの2015.3.3の記事で紹介しました、ひすいこたろう著「ものの見方検定」に書かれている「小さな幸せに気づくレッスン」で次のように述べられています。
 「わたしは今日幸せでした。なぜならば…」、これの続きを3つ考えてから寝てください。寝る前に幸せを味わって眠ると、不思議と、朝起きたときの表情が違うんです。これも続けるとよくわかるのでぜひお試しくださいね。
 小生も早速これを始め、うち1つを記事にしたところです。
※2 2014.6.3ブログ記事「 100歳までボケない101の方法 」で書きましたが、その中で衝撃を受けたのが「2日前の日記を付けよう」で、次のように書かれています。
 記憶力を維持し、さらには高めることができ、ボケ防止に役立つ効果が大きいから、ぜひやってみてください。例えば2日前に食べたものを思い出すのはどうでしょう。前日のことならかなり鮮明に覚えていると思いますが、2日前となると途端にあやしくなりませんか。
 よって、小生も早速2日前の日記を付け始めたところです。
コメント(2) 
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コメント 2

天安

ファーマシーさん、明けましておめでとうございます。

フェロモンのお話、たいへん興味深く読ませてもらいました。

温泉三昧のお話もそろそろ出てくるんじゃないかと思って
期待しております。

温泉堪能のおもしろい文章、待ってます。
今年もよろしく。

by 天安 (2018-01-04 17:12) 

どろんこ

天安さん、明けましておめでとうございます。
コメント有り難うございます。
温泉三昧の話、ご期待ください。今月下旬に、今年もまた奥飛騨へ湯治に行ってまいりますゆえ。
by どろんこ (2018-01-04 18:56) 

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