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6.13 遠藤周作の本を買った理由を推理する [学び]

<一日一楽日記>(落ち込みから脱却・幸せ膨らむ ※1
 何かに取りつかれたように必死に昔の記憶を取り戻さんと悪足掻きしている、この頃の小生である。またもや、昨日に引き続いての日記である。
 昨日書いた、山本七平については十数年前と比較的最近の出来事であったから、無事に思い出すことができたものの、遠藤周作著「ぐうたら人間学」となると50年近く前のことだから、おいそれとはいかない。記憶回路のサビついた歯車をギーコギコ回そうにも、完全に油切れしており微動だにしないのである。
 そこで、この本のことはいったん忘れて、その当時、どれだけも本を読んでいなかった小生であるが、少しは買っり借りたりした本があり、それをどういう経緯で入手したのかを思い起こしてみることにした。
 真っ先に思い出したのは、マルクス著「共産党宣言」である。学生運動をしていた頃のことであり、来る日も来る日もゲバ棒片手にヘルメットをかぶってワッショイワッショイばかリやっていたが、これではダメだと思うようになり、そこで、理論武装の真似事でもしようと思い、名の知れた本書を買った。ところが、小生の頭では難解すぎて理解不能であった。3ページまでを3回回り読んでギブアップ。全く頭に入らないのである。不思議とこのことをはっきり記憶している。
 そこで、1年後輩の秀才で読書好きなT君に“俺でも読める何かわかりやすい本はないか”と助けを求めたら、彼がエンゲルス著「家族・私有財産・国家の起源」を勧めてくれ、何とか最後まで読めた。もっとも、この本もけっこう小難しくて、どれだけも頭に入らなかったが、“俺だって、ちゃんとマルクス・エンゲルスを読んでいる”と自己満足。
 その後のある日、彼が“この本、いいよ~。読んでみない?”と言って、読み終わった本を小生に貸してくれた。住井すゑ著「橋のない川」である。7、8部作あり、第1部から順に貸してもらい、順次読んだ。どの部だっかか忘れたが、涙がボロボロ出て字がかすんでしまい、読めなくなるほどに感動したことをはっきり記憶している。最後の1冊は彼と別れた後の発刊だったから自分で買って読んだ。これも、はっきり記憶にある。
 柴田 翔著「されどわれらが日々」も、たしかT君が“この本、いいよ~”と言ったから買ったように思う。北杜夫著「白きたおやかな峰」もたぶん同様だろう。
 さて、こうなると、遠藤周作著「ぐうたら人間学」も、想像するに、T君が冷やかし半分で“この本、三宅さんみたいだ”と話しかけられ、“えっ、俺みたいな奴が正直にぐうたらさかげんを書いているって?”と興味を抱き、買ったのではなかろうか。自分で進んで本屋に行き、何か興味ある本はなかろうかと探したなんてことは、その当時、金輪際ありえないことであるからして。
 ただし、目的をもって本屋へ行き、1冊だけ本を買った記憶はある。それは、学生運動の敗北から厭世観に打ちひしがれ、生きる目的を失っていたときである。何かに救いを求めたい気分となり、キリスト教の一派(新興宗教?)と思われるが、その本の表題に惹かれて買ってしまった。
 こうした心境にあるときは宗教に引きずり込まれやすいものであろう。途中まで読んだところで、“この宗教いいわ、救われる!”とT君に話かけたところ、彼は“三宅さん、だまされちゃダメッ!”と、すでに片足を突っ込み、すんでのところで両足を突っ込みそうになっていた小生を信者になる前に引き戻してくれた。彼は、先輩に向かってではあるが、かなり強い口調で諭してくれたことを覚えている。よって、その本は最後まで読まずに捨てた。なぜ捨てたかといえば、その宗教よりもT君のほうが信じられたからである。
 T君には、これ以外にも何かと世話になった。特に、“人はなぜに生きるのか”について、良き道しるべを与えてくれた。
 そのT君は学生運動で目立ったがゆえに、ある教授ににらまれて、もらえるはずの単位がもらえなかったこともあり、中途退学を余儀なくされた。小生が2年留年して卒業したのと同時期だ。その後、彼は郷里へ帰って零細企業に就職し、小生が社会人になった2年目、小生の結婚式に招待したが仕事が忙しくって来れなかったものの、その1か月後あたりに訪ねてきてくれた。うれしかった。
 そのT君は、その2年後ぐらいに他界した。自ら命を絶ったのである。小生の良き友、いや良き師がこの世からいなくなってしまったのである。彼の死は、いつも頭の片隅にあるのだが、こうして文章にすると、悲しい思い出がどっと出てきてしまう。それと同時に、小生の今の人生があるのはT君のお陰だと、感謝の念でいっぱいになる。
 随分と横道にそれてしまったが、遠藤周作著「ぐうたら人間学」を買った理由は、記憶にはないものの、かくのごとく推論されるのであります。
 ぐったり疲れます、長時間脳トレは。でも、心地好い疲れです。
 
<2日前の日記:夕食>(記憶力増強トレーニング ※2
5品思い出す。うち1品はなし。4/5で80点

※1 2012.9.2別立てブログ記事で書きましたが、毎日何か楽しい出来事が少なくとも1つはあったはずであり、それを書き綴っていけば落ち込みから脱却できるとのことで、小生も“一日一楽”日記を付け始めました。
 また、このブログの2015.3.3の記事で紹介しました、ひすいこたろう著「ものの見方検定」に書かれている「小さな幸せに気づくレッスン」で次のように述べられています。
 「わたしは今日幸せでした。なぜならば…」、これの続きを3つ考えてから寝てください。寝る前に幸せを味わって眠ると、不思議と、朝起きたときの表情が違うんです。これも続けるとよくわかるのでぜひお試しくださいね。
 小生も早速これを始め、うち1つを記事にしたところです。
※2 2014.6.3ブログ記事「 100歳までボケない101の方法 」で書きましたが、その中で衝撃を受けたのが「2日前の日記を付けよう」で、次のように書かれています。
 記憶力を維持し、さらには高めることができ、ボケ防止に役立つ効果が大きいから、ぜひやってみてください。例えば2日前に食べたものを思い出すのはどうでしょう。前日のことならかなり鮮明に覚えていると思いますが、2日前となると途端にあやしくなりませんか。
 よって、小生も早速2日前の日記を付け始めたところです。
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