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9.27 随分とてこずった最後の断捨離読書 [学び]

<一日一楽日記>(落ち込みから脱却・幸せ膨らむ ※1
 小説はもう全部捨ててしまったと思っていたが、まだ残っていた。瀬名秀明著「パラサイト・イヴ」である。「パラサイト」とは「寄生生物」とか「居候(いそうろう) 」という意味であり、転じて「厄介者」という意味もある。本書では、そうした意味合いを持つ「イブ」が主人公。その「イブ」とは、アダムとイブのイブを思い起こさせるものであるが、この小説においては、実は人ではなくミトコンドリアだ。
 ミトコンドリアとは何か。生物進化において、そして、現生生物の生命活動のほとんどにおいて、酸素を取り込んでエネルギー産生するという重要な役割を果たしている細胞内小器官であるが、その成り立ちが非常に興味深い。ミトコンドリアに限らないが、単細胞生物の進化というものは、異種間の細胞合体の繰返し(冷静にみれば共食い)であり、ミトコンドリアもその一つだが、唯一ミトコンドリアだけは完全合体していない。細胞内には2重の膜で包まれた核の中に染色体(これが遺伝子でありDNAと呼ばれる)というものが何本もあるのだが、これは合体前の単細胞生物の染色体の集合と考えていい。ところが、ミトコンドリアはその器官内に自らの遺伝子を全部ではないが一部の肝腎なものを手放さずに持っているのである。まだまだ共生関係にあると言っていい。
 さて、細胞とミトコンドリア、どちらが主人であろうか。
 過去、地球上では先進国が産油国を支配して思うようにエネルギー源を手に入れていた。しかし、現在では産油国が大きな力を持つようになり、先進国はたじたじである。将来的には産油国が世界を支配するかもしれない。この小説では、この例えは書かれていないが、細胞内において主従関係を逆転させようとするミトコンドリアの逆襲ドラマ。
 小説の分類では「ホラー小説」に区分されるようで、その賞も獲得している小説である。出版は平成7年と古いが、小生が買ったのは文庫版で平成23年、これまた随分前のことであるが、いくら科学の発展が目覚ましいといえども、ことミトコンドリアの学問的記述に関したは決して陳腐化していない。
 本書を今一度読み直しにかかったのは数日前のことである。560ページもある大作(といっても物語は498ページで終わり、その後に参考文献、用語解説、あとがき等が続く)であるも、普通の小説であれば手が空いたときに読んで2日もあれば読み終えてしまうのだが、生物化学実験の詳細が随分と多く書かれている(文系の者ならそれらば読み飛ばしていけばいいが、理系である小生は係る部分は学術書と同様に丹念な読み方をしてしまう)がために、3倍ぐらいの時間がかかった。
 さて、小説の結末は? 読んでのお楽しみ、とするのが一般的であろうが、あえて書こう。最終盤になってミトコンドリアが大暴走(非現実的だが、それが小説)を始めるも、唯一の欠点(架空のもので現実ではない:これが小説)がためにあっけなくミトコンドリアの負け。これじゃあ面白くない。ミトコンドリアが人類を滅亡させるのを思わせるような大戦闘場面が正に始まろうとするところで筆を置き、勝負の決着がどうなるのかを読者の想像に任せたほうがよかったのではないか。
 小生思うに、地球上における生物の進化はもう峠を過ぎており、衰退期に入っている様相を示している。なぜならば、動物といい、植物といい、あまりにも完成され尽くされており、これ以上の能力の獲得を必要としない姿にあるからだ。この定常性を打破し、想定外のとんでもない生物の出現が待ち望まれる。そうでないと面白くない。その想定外の生物の一つの候補が「ミトコンドリアが支配する細胞」である。
 「パラサイト・イヴ」を読み終えて、その思いを強くしたところです。でも、この本も断捨離。これで小説は全部処分したことになる。少々寂しい思いがしますが。
  
<2日前の日記:夕食>(記憶力増強トレーニング ※2
5品思い出す。うち2品は別のもの。他に1品。3/8で40点

※1 2012.9.2別立てブログ記事で書きましたが、毎日何か楽しい出来事が少なくとも1つはあったはずであり、それを書き綴っていけば落ち込みから脱却できるとのことで、小生も“一日一楽”日記を付け始めました。
 また、このブログの2015.3.3の記事で紹介しました、ひすいこたろう著「ものの見方検定」に書かれている「小さな幸せに気づくレッスン」で次のように述べられています。
 「わたしは今日幸せでした。なぜならば…」、これの続きを3つ考えてから寝てください。寝る前に幸せを味わって眠ると、不思議と、朝起きたときの表情が違うんです。これも続けるとよくわかるのでぜひお試しくださいね。
 小生も早速これを始め、うち1つを記事にしたところです。
※2 2014.6.3ブログ記事「 100歳までボケない101の方法 」で書きましたが、その中で衝撃を受けたのが「2日前の日記を付けよう」で、次のように書かれています。
 記憶力を維持し、さらには高めることができ、ボケ防止に役立つ効果が大きいから、ぜひやってみてください。例えば2日前に食べたものを思い出すのはどうでしょう。前日のことならかなり鮮明に覚えていると思いますが、2日前となると途端にあやしくなりませんか。
 よって、小生も早速2日前の日記を付け始めたところです。
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